アジア<QBCアジア支局だより>中国で活動する福岡県の劇団代表が太宰府市で講演
太宰府市のNPO法人「劇団道化」の篠崎省吾代表が3日、福岡市の日中文化センターで「中国は面白い〜舞台から見える中国の子ども達あれこれ」と銘打って講演会を行なった(主催:日本中国友好協会福岡県連合会、日中文化センター)。 劇団道化は、2004年から中国の多くの都市を遠征公演。2012年には、日中国交正常化40周年を記念して、雲南省の山奥に暮らす少数民族の子どもたちに児童劇を届ける公演を開催。今年4月には重慶で公演を行なうなど、日中文化交流の一躍を担っている。
篠崎さんは、昆明から雲南省の小学校まで140キロの山道を車に揺られながら辿り着いたエピソードについて写真を交えて紹介し「とても大変な道中だったが着くと子供達が純粋な笑顔で迎えてくれ、やる気が湧いたし、劇も真剣に見てくれた。中国の子供と日本の子供は全く同じところで笑うし、同じ笑い声だ。上海の富裕層の子供も雲南の子供達も同じ反応をするのが面白い」と振り返った。
また演出家として「日本の場合は、俳優の動くところに照明をあてるが、中国では照明が当たったところに役者が動く、というように根本的な感覚が違う部分がある。しかし、中国では演劇人同士が徹底的に議論することもあり、そういう現場は印象深い体験となっている」と中国の演劇事情の舞台裏を説明。その中で、「中国の若手役者は、付き合ってみると素敵な人間が多い。中国に行って若い俳優に会うことがドラマチックに思え、毎回会いたいから行なっている部分もある。中国へは最初は『こわごわ』行ったが、今は『面白い』から行っている」と語った。訪れた約30人の出席者は真剣な表情で篠崎さんの話に聞き入った。劇団道化は今後も、中国での公演活動を積極的に行なっていくことにしているそうだ。
【取材:アジア支局・亜細亜 渡】
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