アジア日本での当たり前が、中国ではビジネスに!!イブニングワークショップ「中国サービス業進出のポイント」

Posted:2013年10月14日
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旬なアジアのビジネス事情の講演をおこなう「イブニングワークショップ」が8日、福岡アジアビジネスセンターで開催された。今回は、英志(上海)投資諮詢有限公司董事長、総経理の山本英作氏が登壇、「中国サービス業進出のポイント」をテーマに、自身が携わる中国における商業施設開発及び日本の小売業の進出について説明した。

 

中国での日本有名アパレルブランドの店舗開発や中国最大の不動産開発会社万科企業の商業施設リーシングサポート業務など、日中ビジネスの架け橋の役割を担っている山本氏。自身がチャイナビジネスに携わる10年間、中国の勢いある経済成長を常に肌で感じてきたという。また、安定期へと入りつつある現在も、中国では日本の商品・サービスは変わることなく評価され、中国人の購買欲は増す一方のようだ。その理由として、山本氏は日本企業の持つ、徹底的に磨き上げた「コスト削減とビジネスの効率化」を挙げた。

 

高度経済成長期であるにもかかわらず、中国国内では「将来、景気は低迷していく」という危機感を抱いているそうだ。こうした背景の中、多数の中国企業が「無駄がない経営法」を持つ日系企業に魅力を感じている。実際、2013年7月、スキーリゾートを開発中の中国不動産大手万科企業は、西部ホールディングスにスキーリゾートの運営を委託した。また、山本氏はこの事業提携の橋渡しを行う中で、中国では「失われた20年での日本の努力」が大きなビジネスチャンスとなると確信したそうだ。

  

他方、中国の小売業においても、日系アパレル業が得意とする「ブランドビジネス」が注目を集めているとのこと。数年前まで、中国には日本では通用しない、時代遅れの商品ばかりが流通していたそうだ。しかし、インターネットの普及・日本と同様のブランド戦略の進出で、中国内のアパレル環境は大きく変化した。2011年、日本で人気が高いレディースブランド「snidel」が上海伊勢丹に、本店同様のこだわりの内装と豊富な品数を取り揃えた店舗をオープンさせた。その質とサービスの高さが反響を呼び、開店初日に559万円という売上を記録した。また、有名芸能人をCMに起用している「earthmusic& ecology」、眼鏡を「カジュアルファッション」として定着させた「Jins」など、日本で人気のブランドが数多く進出している。山本氏は「日本で当たり前となった戦略でも、中国ではとても新鮮で、成功する可能性は十分に考えられる」と話した。

  

中国政府は今後2030年までに、農村人口約8億人のうち、およそ4億人を都市人口へ移住させる方針を打ち出した。つまり、日本国内では考えられないほどの消費量の増加は確実だ。また、習近平主席のスローガン「腐敗撲滅」によって、政治家への賄賂・接待は禁止となった。このため、権力者たちは、今まであった商品券という賄賂がなくなり、自身のお金で商品を購入するようになったという。そして現在、富裕層を含めた大勢の中国人が商品の質・価値を重要視しているそうだ。今後、チャイナビジネスにおいて、安全と品質が保証された日本の商品、ビジネスコンテンツの需要はますます加速を続けるのは必須だ。さらに、中国では大型百貨店の建設がいくつも進んでおり、日系企業の進出を求めている。ビジネスモデルに自信のある企業は、今が中国進出の時なのかもしれない。

【取材:安東真矢】

 

福岡アジアビジネスセンター

http://www.f-abc.org/ 

 

 
  
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