学ぶ子どもたちの放課後を救え!というテーマのシンポジウム開催!
3月25日(日)、福岡市役所で「子どもたちの放課後を救え!」というテーマのシンポジウムが開催されました。子どもたちの心や体の健やかな成長と“遊 び”について、福岡市の担当者と有識者らによる座談会形式で行われました。会場には小学生の子をもつ保護者など約100名の聴講者が集まり、座談会の模様 を真剣に聴き入っていました。 シンポジウムでは、子どもにとって放課後の「遊び」を通して得られる経験が、子どもの心と体の健やかな成長にとってどれほど大切なのかという意見が交わされました。 現在、福岡市など都心部においては、子どもたちが放課後、自由に外で遊ぶことができる環境が少なくなりつつある実情が紹介され、原因として、塾や習い事に 通うことで子どもに時間がないことや、地域のコミュニティの希薄化などで子どもを外で自由に遊ばせることに対する保護者の不安などといったことなど、社会 的な環境の変化があげられました。パネラーの一人、産婦人科医の古賀剛さんは「幼児期や小学生時など“遊び”を通してあらゆるものを吸収し才能を伸ばせる ときに、遊ぶための環境がないということは非常に残念」と訴えました。また、TBS「報道特集」ディレクターで『子どもたちの放課後を救え!』の著者、川 上敬二郎さんから東京のNPO団体での取組みなどが紹介されました。 福岡市では、こうした現状をふまえて、現在、福岡市内の小学校全146校のうち44校で「放課後等の遊び場づくり事業」を実施しているそうです。この事業 は、放課後に「ランドセルを学校に置いたまま、校庭で元気よく遊べる」よう校庭や体育館を中心とした学校施設を活用して、小学校教諭などの有資格者を現場 責任者に、地域のボランティアや保護者の「見守りサポーター」や様々な遊びの支援を行う「プレイリーダー」といった大人の協力のもとに、安全に自由に遊び ができる場や機会を創出しようという取組みです。実施されている学校の保護者からは、「学年の違う友達ができた」「運動が好きになった」といった意見がよ せられているそうです。市では、今後こうした実施校を増やしていきたいと述べました。 聴講者の小学2年生の子供をもつ小川剛司さん(45)は、「私の子どもの時のように自然の中で自由に遊ばせてあげられない環境がかわいそう。何とかできないかと考えて・・」とシンポジウムに参加したそうです。 子どもを取り巻く社会的な環境の変化が、子どもにとって大切な“遊ぶ”機会を奪っているという現状にどう対処していけばいいかが話合われた座談会。子ども をもつ保護者のみならず、未来を築いていく子どもたちのために、市民一人ひとりが考えていかねばならない問題だということが痛感されるシンポジウムでし た。 【KUMI】 |