アジア<QBCアジア支局だより>九州新幹線で台湾高速鉄道(新幹線)の乗務員が接客研修
JR九州が、台湾高速鉄道の台湾人乗務員5人の研修を行っている。16日、台湾人乗務員が九州新幹線「さくら」に乗り研修、その模様が報道陣にも公開された。JR九州と台湾高鉄との相互交流は、客室乗務員の技術向上と、鉄道会社の知名度アップを図る目的でスタート。昨年12月には、JR九州の乗務員5人が台湾に赴き、台湾高鉄内で接客や中国語会話での挨拶など2週間にわたって行なった。
今回は、その「逆パターン」で九州側が台湾乗務員を受け入れる形だ。16日は、台湾乗務員が九州の乗務員とペアになり、午前9時32分「博多発鹿児島中央行」の新幹線に乗車、ワゴンを押して、覚えたての日本語で接客を行った。鹿児島中央駅に到着後、約50分のインターバルを置いて、今度は11時40分発の博多方面行の新幹線に乗車。博多駅からは福岡メディア各社のカメラマンや記者が同乗していたが、鹿児島中央や熊本からもメディア取材者が加わってきたため、乗務員を乗せた車両が博多駅に到着すると、駅のホームは関係者で一時騒然となった。30代の台湾人女性乗務員は初日の新幹線研修を終え、「日本の接客はお礼が非常に丁寧。私達ももっと練習して学んでいきたい」と感想を述べた。
台湾からの乗務員は、14日から既に研修をスタート。2日間に渡る座学研修(会社概要、乗務員業務説明、車内設備説明、ワゴンサービスの実演)を終えており、この後も九州新幹線および「ゆふいんの森」号に乗車、車内サービス全般について学んでいく。昨年12月の研修では、日本人と台湾人乗務員との間で親密さも生まれ、修了式では涙する日本人乗務員もいたほど。今回も、約2週間にわたる研修を通じ、技術向上のみならず、鉄道乗務員同士の心の交流も育みそうだ。台湾人乗務員は24日に修了式、25日に帰国の途に着く。
(取材:アジア支局・亜細亜 渡)
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