現在、麻生渡氏は、JR九州の特別参与でもあり、平日はJR九州本社に出勤している。休日は、かねてから得意としていた囲碁を楽しんでいるそうだ。
福岡県知事時代の16年間、ほとんど休む間もないぐらい忙しかったという麻生氏は、学生たちを前に、「今を大事に生きろ。学生時代の友達はかけがえのない存在になる」とエールを送った。
そもそもこの授業は、学校法人・福岡工業大学が、長い行政経験を持った麻生氏を、今年8月から、最高顧問兼特別招聘講師として招いたことに始まる。行政、 地方自治などに関するものの見方、考え方、麻生イズムを学生たちに注入することとともに、産学連携。、就職支援に役立てていきたいという、学校側の考え方 だ。
福岡工業大学は、独立行政法人の日本学生支援機構が主催する、今年度の留学生交流支援制度に採択され、現在、カリフォルニアの学生たちが来日している。今回の麻生氏の授業は、すべて英語で行われ、トップクラスの学生や留学生に向けた、特別プログラムの一つだ。
今回の授業で、麻生氏は、福岡の意味について、東日本大震災について、原発問題について、グローバリゼーションについてなど、約1時間にわたって話した。 学生から、「人生で最も短く感じた時期はいつですか?」という質問について、麻生氏は「知事時代の16年間」と応え、あまりにも忙しいのは良くない。季節 を感じるとか、おいしいものを食べるとか、余裕のある人生を送らないといけないと、人生の先輩として、学生たちにエールを送った。
授業を終えたあとで行われた記者会見で、麻生氏は今後も、学生たちを励ます活動を続けていきたいと語っている。知事時代に時折見せていたピリピリムードの記者会見とは打って変わって、終日、柔和な顔つきの麻生さんだった。
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学校法人 福岡工業大学
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