観る世界的巨匠テオ・アンゲロプロス監督の遺作『エレニの帰郷』が遂に日本公開!
2009年にベルリン映画祭に正式出品された、テオ・アンゲロプロス監督の遺作「エレニの帰郷」の試写会が12月9日(月)に福岡市博多区JR博多シティ9階のT・ジョイ博多にて行われました。
本作は第一部「エレニの旅(2004年公開)」に続く、20世紀を主題とした三部作「トリロジア」の中核となる作品です。昨年、アンゲロプロス監督は第三部となる「もう一つの海(原題“The Other Sea”)」の撮影中に亡くなったため、残念ながら未完となってしまいましたが、2013年東京国際映画祭特別招待作品として公開されることとなりました。
物語は1953年の旧ソ連まで遡り、イレーヌ・ジャコブ演じる母エレニの視点と二十世紀末の現代を生きるウィレム・デフォー演じる主人公Aの視点がクロスオーバーしながら進んでいきます。歴史的背景や社会問題を交えながら、誰かを真剣に大切に思う気持ちが詩的に描かれています。二人を取りまく人間関係とそれぞれの愛の形が複雑に絡み合い、物語が進むにつれて翻弄される二人の視点が一つになり、最後には哀しくも温かい気持ちになりました。家族や恋人、大切な友人と観に行ってはいかがでしょうか。
〔あらすじ〕 二十世紀末の現在。ローマの撮影所チネチッタに映画監督“A”(ウィレム・デフォー)がやってくる。彼は、ある理由により中断していた撮影を再開しようとしていた。ベルリンを舞台に、歴史的事件と彼の両親のパーソナルな人生との関係を描こうとするその作品の完成は困難を極めていた。“A”が語ろうとする物語、そして彼の両親の実際の物語が互いに溶け合いながら、詩的に綴られていく―...
【岡村有紀子】
<映画「エレニの帰郷」> 監督/脚本:テオ・アンゲロプロス『永遠と一日』『アレクサンダー大王』 撮影:アンドレアス・シナノスa.f.c 音楽:エレニ・カラインドルー 出演:ウィレム・デフォー『スパイダーマン』、ブルーノ・ガンツ『ベルリン・天使の詩』、ミシェル・ピッコリ『英国王のスピーチ』、イレーヌ・ジャコブ『ふたりのベロニカ』、クリスティアーネ・パウル『太陽に恋して』
2014年1月25日(土)T・ジョイ博多他にてロードーショー 公式HP:http://www.eleni.jp/index.html Twitter:https://twitter.com/movie_eleni |