アジア<QBCアジア支局だより>台湾で活躍するアメリカ出身の女性歌手、キム・キャシディーさん

Posted:2013年11月28日

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台湾テレビ界で「Kim小姐(シャオジエ)」と呼ばれ親しまれている女性タレントがいる。ニューヨーク出身のキム・キャシディーさん(台湾の名前では「歐陽姍(オーヤンサン)」と名乗る)だ。

 

 台湾で放送されているトーク番組に外国人パネリストとして出演する一方、歌手としても活動。「飄洋過海到台灣(海をさすらい渡って台湾に来ました)」というタイトルのCDアルバムも発売した。キムさんは「初めて台湾に来たのは22年前、中国語の勉強に来ました。芸能活動をする気はありませんでしたが、言葉を勉強し東洋の文化に触れるうち台湾の歌謡界にも興味を持ち始めました。もともと歌うことは好きで、カラオケに行ったり、人前で歌ったりするうちに『台湾歌謡界』にも注目するようになったんです」と話す。

 

 アメリカで歌手の経験はなく、台湾で初めて「歌手、タレント」を意識するようになったキムさん。「産まれたのはニューヨークのヤンキースタジアムの近くですね。25歳くらいまでニューヨークで過ごし、大学ではファッションを学びました。ニューヨークは活力に溢れ異文化も受け入れる都市。縁あってニューヨークで中国語を学び始め、だんだんと中華圏の文化に引き寄せられました」

 

 キムさんは台湾人の男性と結婚し、台北で女児を出産。一旦はボストンで生活し、その後、台湾に戻ってきた。「私はアイルランドの父親、ポーランドの母親の間の子供で、ヨーロッパからの移民2世にあたります」と、台湾番組では流暢な中国語で時にはユーモアを交えながらアメリカ文化についてトークする。朗らかな性格でほかの台湾人タレントからの信頼も厚い。「台湾は初めて来た頃から開放的で住みやすかったし、台湾人もアメリカ人に対して友好的でした。台湾には、伝統を重んじる文化がある一方で、茶葉や果物、食品等に対して改良を加えていくような積極性のある国です」と話す。

 

 歌手として、台湾歌謡番組で歌唱が評価されたシンガーに贈られる「五燈獎」を獲得した。昨年出したアルバムには8曲収録。歌詞には「台湾生活での艱難辛苦」が盛り込まれており、曲調は台湾クラシック。歌詞はすべて中国語だ。「歌を唄うことで大儲けというわけにはいきませんでした(笑)。スーザン・ボイルは西洋で成功しましたが、歐陽姍(オーヤンサン)は東洋でただのおばさんですよ(笑)」とユーモアたっぷりに話した。

 

 ニューヨークは、世界で最も文化が豊かな都市とされているが、キムさん自身も海外で生活し異国の男性と結婚し、文化を受け継ぐ1人の継承者である。「私はずっとニューヨークで暮らすものだと思っていましたが、今こうして台北にいるのは運命なのかもしれませんね」と、キムさんは屈託の無い笑みを浮かべた。

 

(取材:アジア支局・亜細亜 渡)

 

 

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