アジア「日越外交40週年記念フォーラム講演「ベトナムにおける日系企業の投資の現状と政策」

Posted:2013年09月25日
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福岡市中央区で、日本ベトナム外交関係樹立40周年記念を機に 「日越投資及び科学技術協力フォーラム」が19日に開催された。

 

およそ250名の参加者が会場に集まるなか、ベトナム関係者は日越協力開発の可能性・ベトナムでの新たな産業の開発状況などを説明。フォーラムの後半では、ベトナム計画投資省外国投資庁シニア投資アドバイザーの高田充人氏による講演「ベトナムにおける日系企業の投資の現状と政策」が行なわれた。

 

2008年に起きた世界金融危機を契機に、ベトナムでは実質GDP成長率8%からおよそ5%前後にまで減速した。しかし2012年度、日系企業の投資認可数は過去最高の270件を記録し、認可金額は約40億700万ドルにまで回復。在ベトナム日本商工会会員数も1213人にまで増え、この数字は増加の一途をたどっている。この状況を、高田氏は「ベトナムの環境が、大勢の日系企業を引き寄せている」と話した。

 

東南アジアの中心に位置し、中国・ASEAN諸国に隣接するベトナム。人口約9,000万人のうち、半数以上が25歳以下という若者たち。キヤノンや富士通といった大手・中小企業が若い労働力を活用し、ベトナムをアジアの生産拠点の一つとしてとらえている。さらに今年6月、ベトナムの法人所得税法が改正され、法人税は2013年に22%2016年には20%までの引き下げられることが決定した。これにより、ベトナムへのさらなる海外企業の進出が期待されているという。

 

また、1995年にはASEAN2007年にはWTO、現在はTPPの加盟交渉国に対して、ベトナムは国際経済との統合に意欲を燃やしている。2015年、ASEAN地域10ヵ国内は原則として関税が撤廃され、ASEANの一員であるベトナムも輸出における競争力の強化が求められる。こうしたなか、まずベトナムは日本との協力が不可欠で、日本ブランドといった付加価値を活用する必要がある。日系企業はASEAN地域にまで目を向けたビジネス拡大への糸口を見つける絶好の機会となるに違いないという。

 

その一方で、ベトナムにはたくさんの解決すべき投資環境問題が残っているようだ。講演中、高田氏は3つの大きな課題を挙げた。まず、国内の法体制の整備・法執行体制の確立・行政改革の推進などの規制制度改革。次に、電力・道路・港湾などのインフラ整備。そして、経済成長に不可欠な人材の育成だ。現在、ベトナムの投資環境の改善を目的とした「日越共同イニシアチブ」はフェーズⅤ(5回目)に突入。また、2020年までベトナムの工業国化のための計画「工業化戦略の推進」や国際協力機構JICAなどによるベトナム中小企業への技術指導・日本企業への相談窓口が行われている。

 

高田氏は「まずは『なぜベトナムなのか』ということを考えることが必要。ベトナム地域の特徴と合致したビジネスを見つけ、事前準備を怠らないことが成功への一番の近道だ」と話した。今後、日本によるODAや莫大な投資により、ベトナムのビジネス環境は飛躍的に変貌を遂げていくだろう。ベトナム進出を検討する上で、ベトナムの輸出競争や投資環境の改善を注視しつつ、ベトナムの特徴を探り、自身のビジネスとの合致点を見つけてみるのも、一つの手かもしれない。

 

【取材】:安東真矢

 

 

 

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