台湾人男性歌手・羅志祥(ルオ・ツーシャン)は台湾・香港を中心に圧倒的な人気を誇る。中国大陸や東南アジアへの進出のみならず、去年からは日本でもライブを開催、音楽番組にも出演するなど、アジア全体への市場展開を推し進めているところだった。 しかし、先月、日本で開催される予定だった羅志祥のライブイベントが急遽中止になった。折しも、日本中国間での尖閣問題発生。しかし、日本と台湾の芸能関係では殆ど影響は出ていないはず。羅志祥のライブ中止は、他の事情によるものなのか・・・。 さまざまな憶測が飛び交うなか、台湾メディア関係者への取材を通じて、その様相が明らかになった。 「イベント中止は、尖閣問題と関係あります。羅志祥サイドは中国大陸を重んじたのです。日本でのライブを強行してしまえば、中国大陸に行けなくなってしまいます。」 ここ数年の台湾音楽業界には『台湾のテレビでプロモートして、大陸で稼ぐ』という流れがある。インターネットの発展で台湾のテレビ界も不況。出演料やライ ブ収入は台湾よりも中国の方が多く見込める。台湾関係者によると「羅志祥としてはハードルの高い日本市場へ進出し『アジア全体で活躍する羅志祥』を印象付 けたかった。しかし、日本に執着すると中国での活動が禁止され、収入面では痛手となる。所属事務所も苦渋の決断で中国を選択せざるを得なかったのです」 歌手として脂が乗っている羅志祥、勢いに乗って日本業界にも定着したいところだったが、思わぬ落とし穴が待っていた。 【アジア支局:亜細亜渡】
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